あなたは、長崎に原子爆弾が投下された日時をご存知でしょうか。
1945年8月9日11時02分
地元長崎の人であれば、原子爆弾の投下された時間とすぐに答えられる時間です。
個人的には、本来は11時02分ではないのでは……?と疑問に思っています。
その理由を深掘りしていきます。
疑問を抱いた経緯
小林よしのり氏の「戦争論」という本を読んでいます。
そこから太平洋戦争、終戦に至るまでの経緯を調べ、学習しています。
そこで知ったのは「とある誤差」です。
アメリカ軍の記録によれば、10時58分に投下。
しかし、日本(長崎)では、11時02分に被曝。
すぐに察しがつきますが、自由落下で4分も掛かるでしょうか?
用いる公式
$$y=\frac{1}{2}gt^2$$
$$y=(落下距離), g=(重力加速度), t=(時間)$$
仮定、および条件
投下高度 :9600m
爆発点高度:503m(503±10mが有力な説のため)
重力加速度:9.8m/s
(厳密には長崎は9.796)
目標地点から北に500mほどそれたと文献がありますが、それは考慮しません。
また、落下時の風速、天候、体積等による空気抵抗も考慮しません。
(計算方法調べたら難しそうだったので)直線で落下したものと仮定します。
以上を踏まえて、値は下記のようになります。
$$y = 9097, g = 9.8$$
実際に落下時間を求める
$$y=\frac{1}{2}gt^2$$
$$9097 = 1/2 * 9.8 * t^2$$
$$9097 = 4.9 * t^2$$
$$1856.5306.. = t^2$$
$$t = 43.087..(秒)$$
投下後から爆発するまで、約43秒だったことが分かります。
原子爆弾投下時刻の仮説
まず事実を整理しますと、以下のようになります。
- アメリカ軍の記録:10時58分
- 計算で求めた時間:43秒
- 日本での時刻 :11時02分
これらから、いくつか考えられることがあります。
- アメリカと日本との時差が影響した
- 当時乗っていたB-29の時刻を指していたものが、機内振動などによって分針がズレていた
この11時02分と確定した根拠も気になるところです。
仮に、現存している振り子時計の指している時刻を基にしているのであれば、さらに以下のようなことも考えられます。
- 爆風によって分針がズレた
- そもそも時計の時刻がズレていた
日本の時刻が正確かもしれない
当時、長崎の上空で原爆投下の合図を傍受したため、すぐにラジオで臨時放送が流れました。
それは、長崎だけでなく福岡、佐賀、熊本でも放送されていました。
原爆投下と同時に放送が途切れたという記録もあるそうです。
佐賀の学校内ラジオで同時刻を迎えた人が残した手記には、その途切れた時刻が11時02分であったことも。
その情報が基であるということも考えられます。
まとめ
ある事実を鵜呑みにせず、様々な角度から物事を見つめるべきだと思いました。
今回自分自身で計算してみて、身をもって体感した気がします。
人に対しても、仕事に関しても、大切なことだと思います。
参考文献
補足
広島原爆投下について、詳細に検証している記事を見つけました。
慣性の法則など仮説を踏まえて計算しています。
原爆はどこで投下された?(ひろしま国)
様々な記録から検証をしています。
原爆投下「8時15分」は違うって本当?(ひろしま国)